カセットテープをMP3へ

【2010年12月】

前の話の続きになるんだけど、フレットレスベースを購入した最大の要因は「あのフレーズを弾きたい!」だ。
今の時点でまだ「あのフレーズ」が判らないでいる。
だってカセットテープのどれかにあるんだもの・・・・。

高校生〜大学生の時分だからもう30年以上前か。
某総合雑誌社でバイトしてたダチがいて、音楽レコードを紹介する編集部に居たらしいんだけど、レコード会社って〜のはスゴイ売込みで、毎週数十枚という国内外のレコードを「紹介してくれ!」と持ち込んできていたのだそうな。
もちろん「非売品」とデッカいシールが張ってあるヤツなんだけど。
当時はそんな持ち込まれたレコードの山なんぞ片っ端から廃棄していたそうで、それを拾ってきていた。
で、それをまた片っ端から貰っていたから、一時期あたしの部屋には5000枚を超えるレコードがあった。

その中から内外を問わず「をっ!」ってなものをカセットに入れて、自慢のケンメリに搭載したパイオニアの100WアンプでBGMにしていた。
だからバイト代は殆どがカセットテープ代に消えていった。
だってマクセルUD46分の10本セットが4500円くらいだったか?
それを週に2セット買ってたから月に3万円ほど使っていた訳だ。
30年前の3万円って・・・・・バカだね・・・・オレ。

おかげで気が付くとカセットテープも500本を越えていた。
自立/結婚/転居と歴史を重ねるに従って泣く泣く処分を繰り返してはきたが、それでもまだ50本程度は残っている。
(レコードも押入れに30枚程は残ってる)

その中のどっかに「あのフレーズ」はあるハズ!
って考えるとデッキ捨てなきゃよかった!と思うもののどうしようもない。
まさか30年後に「あ〜聞きてぇ〜!」なんて思うと思わなかったもの。

で、悪いクセ!ググッちまった!
あら?ラジカセって今でも売ってるのね?しかも2千円ってとこ?
なんだ・・・・買っちまえ!

の次頁で見つけた「カセットテープをMP3へ」の文字!
これだ!
「ION Audio TAPEEXPRESS」というやつで価格は5千円を切るくらい。
さっそく通販するものの、生産が追いつかず・・・・の返信メール。
なんでぃ!じゃ要らね!と、短気は損気の即キャンセル。

あ〜あ・・・どうしよう・・・・とアキバを徘徊。
こんな時は滅多に寄らない「アキバオ〜」よね!で聞いてみる。
「カセットをMP3にしたいんだけどそんなのある?」
「ありますよ」と即答。
「ウソ?頂戴!」
が巻頭の写真。

「USBカセットウォークマン」
型番:FS-UW100
MADE IN CHINA
輸入元:株)ファイスター
製造元:不明
価格:3980円

ウキウキでUSBに接続。
付属のソフトをインストールして設定後、録音スタート!

あっ、ボリュームはカセット側のダイヤルなのね!
とか、昔FMをエア・チェックしていた操作を懐かしむ。

しかしてその結果は!!!

あ〜・・・昔の彼女になんて会わなきゃよかった・・・って感じなのか?

さすがに30年前のテープ・・・・・。
中国製のヘッドに自分を擦り付けて必死に音を絞出して音楽している姿が涙を誘う。
伸び伸びの身体で何とか次に繋げようと必死に回っているテープ。

装置を揺らしたりパソコンの電力を使う度に緩む回転を最小に押さえる為に、全てのソフトを落とし、触らすに遠巻きに見守る。

ごめんな・・・・。
もう永眠させてやるべきなんだな・・・。
我が青春最後のアナログよ・・・安らかに眠り給え・・・・か。


1本が終わると纏めてMP3変換。
DLLもCDに付属していて安心だ。

さて、そんな懐かしくも地道な作業(だって実時間だよ!テープってば!)を続ける事数十本。

・・・・無い・・・・え〜っ!?無いの〜??・・・・この努力はなんだったんだ・・・・。
(暫し脱力を含む沈黙・・・)

成瀬喜博、後藤次利、幾見雅博、井上鑑、益田幹夫・・・・・。
でも逆に、こうした彼らが持つグルーブではなかった・・・・って事はハッキリした。
んじゃ、俺の感性からすると・・・・?
高中正義?
渡辺香津美?
T−SQUARE?
とYouTubeを辿って行くが・・・・・見つからない。

「少年隊」「君だけに」「そっくり」ってか「パクリ」・・・などでググってみるものの出てこない。
出てきたのは、ビージーズの「若葉の頃」やポールヤングの「Every time you go away」など。
なんであんな見事なまでのパクリが引っ掛からないんじゃ!と憤慨する事しきり。

そうなんです。
少年隊の「君だけに」にそっくり!というより逆で、初めて「君だけに」を聞いた時は、「わっ!こんなパクリして怒られないのか?」って人ごとながら心配したものでした。

いよいよ見つけ出したくなってどうにも悶える!
どうやって探せばいいんだろう?
とにかく現代はYouTubeという素晴らしい辞書が存在する。
片っ端から聞いていくか・・・・日本のバンドだったという事は間違いないのだから・・・・。
でも30年前って他に何聞いていたかなぁ・・・・。

捜索後数日が経過したある日、ハッとする。
「もしかして・・・・プリズムちゃう?」
和田アキラ、森園勝敏の路線である可能性? ・・・・アリだな・・・・。

と片っ端からPRISMの曲をYouTubeで聴きまくる。
数十曲目で6弦ベースを抱えた画像を発見。
諦めつつも再生すると・・・・・あ〜〜〜っ!!!!これだぁ〜〜〜!!!!

30年の時を経て(?)やっと再会したよ。
そっか・・・・プリズムだったんだ・・・・曲は「UNFORGETTABLE」という曲なんだ・・・・。
曲名さえ判ればもうこっちのもの。

1980年の作品で「SURPRISE」という5枚目のアルバムに収録されていた。(プリズム公式サイトより引用)
和田アキラ(G)、渡辺建(B)、青山純(D)、佐山雅弘(K) で曲目は、
1.Full Moon (Masahiro Sayama)
2.Back Street Jive (Akira Wada)
3.Upside Down (Ken Watanabe)
4.Karma (Akira Wada)
5.Thoughts (Ken Watanabe)
6.I'm Telling You (Masahiro Sayama)
7.Sbatotto (Masahiro Sayama)
8.Unforgettable (Ken Watanabe)

ちなみに少年隊の「君だけに」はその7年後の1987年に発表されている。

ねっ!ねっ!一緒でしょ!?
どうしてネット上に挙がってないんだろう・・・・。

結局すぐに本物を聞きたくて復刻CDから200円でダウンロードしてしまった・・・。
結論としては、何にしても目的の楽曲を見つけたという事で、無駄な買い物ではなかった・・・・という事にしておこう・・・・。