皮膜コードのハンダ付けの話

【2011年4月】

暖かくなってきましたなぁ〜。
しかし震災からまだ3週間しか経ってないからか?震度3程度の地震が毎日のように続いている。
放射能問題も日に日に拡大しているようだ。

ところで先日までやっていたカーナビの設置から派生したパワーアンプの製作で、スピーカーやヘッドフォンに使われている、
皮膜コードはハンダが乗らないじゃん!?問題が解決した!
のでメモとして掲載してみた。

実はこの時、同時にiPhone用のヘッドフォン延長リモコンが接触不良を起こしていた。
バラして修理後に聴いてみると、SONYのヘッドフォンも接触不良を起こしていた事が判明。

聴くたびにポケットから取り出してはまた丸めて押し込める動作を繰り返す事一年か。
そんなもんかぁ・・・・と思うには惜しい値段だと思うよ。(2000円+4500円)/年・・・・は!

それにしても音声の接触不良ほどイライラするものはない。
聞き取ろうと脳が補間を行う疲労度は、動態として捉えようとする眼精の疲労度と類似している。

引き千切りたくなる衝動を抑えつつ、接触不良よりはいいだろうと、先に100円ショップで買ったヘッドフォンに代えてみてビックリした。
「なんだ?このイラつく音は!?」
高音がシャカシャカで音になってない。人間の会話も聞き取れないくらいだ。

あ〜なるほど。安かろうの銭失いって〜のはやっぱりあるんだ・・・・。
これじゃ100円だからといって我慢できる内容ではない。確実に100円損した。

そして本日、iPhone用のヘッドフォン延長リモコンと同じ「オーディオテクニカ」の1、980円のヘッドフォンを買ってきた。
しかし聴いてみてガッカリ・・・・100円よりは遥かに良い質だが、高音の損失がまだ許される範囲になかったのだ。

やっぱソニーっていいんだなぁ・・・ってか、4、500円のヘッドフォンってやっぱいいものなんだなぁ・・・と気がつく。
スピーカーの部分の質がいいのであって、コードは同じだと思う。
だったらスピーカーだけ残してコードをハンダで固定しよう!・・・・となった訳だ。

まぁ、ジャンルとしてはハンダ技術の話なので音楽ではないのだが、今回の対象がヘッドフォンだったという事で・・・・。

さて、皮膜コードのハンダ付けの話に戻るが、
・低温だからいけないので100W級の高温コテを使う。
・何とかって薬品で皮膜を溶かせばいいが高価だ。。
・コテにたっぷりとハンダを盛って予備ハンダにすればいい。
・ハンダ槽が無いと難しいだろう。
・溶けたナイロンがハンダをはじくので素人作業は無理。
などなど、ググってみるといろいろな意見が飛び交って結局判らない状態だ。

自分で試行錯誤してみるも、やはり全くハンダが乗らず、熱し続けるとさらにはじく感覚だ。
ペーストをてんこ盛りにしたり、鉛の配合率が異なるハンダを使用してもダメ!
それでは!とバーナーで焼いてみたが単に炭化しただけだった・・・。

諦めるか?と思いながらも、現在使っているハンダコテは15Wと20Wの2種類。
確かに60Wとかもっと大きなコテがあってもいいよな?・・・・とアキバに向かう。

愛三電機や千石電商を回り「やっぱ本物は高いなぁ〜・・・・」などと思いながらヒロセテクニカルへ。ハンダ関係では必ず寄る店だ。
いつも地下でゴソゴソしてる何でも詳しい店員さんに「皮膜コードのハンダ付け教えてよ!」と聞くと、”しょ〜がね〜な・・・”みたいな顔で手招きされる。

そのへんにあった0.5スケアのコードを3cmほど剥いて、中の一本を引き抜き、絶縁ビニールを持ちながら
「これが皮膜コードだとする」と言いながら引き抜いたコードを巻きつけて「以上!」

ピーン!!!!!!なるほど!!!!!
絡めて盛っちまえっ!・・・・って事か!!!!

要は皮膜の上に細い銅線をグルグルに巻きつけて、そこにハンダを盛れば、銅線と固着すると同時にそこに留った熱で皮膜が溶けて、今度は銅線と皮膜下の銅線が融合する・・・・って事だ。
言われてみれば「そうか!」なんだけど・・・・気がつかないんだよなぁ・・・これが。

納得はしたものの一応反撃もしてみる。
「え〜っ?だって高温のコテとかハンダ槽とか必要なんじゃないの?」
「そんなもん必要あるかっ!必要なのは知恵と技術じゃ!」
やっぱ納得して大人しく引き下がる事にする・・・・。



ところで帰宅途中に思い出した。
「手元が暗いんだよなぁ・・・・机用のスタンド買って帰ろう」

デイツーに寄ったら「展示現品のみ」のスタンド見っけ!
「張り紙したセロテープの痕が取れないのよ。それでもいい?」
「スタンドは照らして何ぼ!だからそんなもんどうでもいい!」
「じゃぁ千円!」
安っ!4千の75%OFFで蛍光灯スタンドゲット!(→)



確かにセロテープの痕は目立つけど、デザインはちょっと格好よくね!?



さて、早速やってみよう。

先ずは一番細いコード(以下、銅線)をバラして・・・・

一本引き抜いておく・・・・と。


これはヘッドフォンの片側。
赤線とグランドの2本が見える。

赤線をハンダ付けする為に、銅線を指で押さえて一緒に持つ。


赤線が曲がらない様に・・・力加減は・・・・やってみれば判る!


コツがつ掴めたらあとは簡単!


銅線にハンダ付けするのと同じだから、面白いようにハンダが乗る。
ペーストを塗る事でさらに確実に乗るので必須にしよう。
あのこねくり回してイライラしていた時間がウソのようだぞ!

プラグ側も同じ様に予備ハンダしておく。
このプラグは緑と銅色がグランドになっている。

写真の一番下のコードから出来てるような”銅線のノリシロ”部分は、気がついた時に切断して取り除いておこう。
つまらないショート防止である。


プラグ側のグランド同士を結合。


次にヘッドフォン側のグランド同士を結合。


プラグ側とヘッドフォン側を結合!

それぞれにビニテを巻く。
巻くといっても省スペース必須なので単に上下から貼り合わせて丁寧にカットするだけ。
巻くと嵩(かさ)むのでNG!


仕上げに、事前に通しておいた熱収縮チューブを被せる。

ここは音を出しながら。
作業中に少しでも音が途切れるようなら、誤魔化してもどうせすぐに千切れる。時間の無駄だ。
だから徹底的に触ってハンダミスと接触ミスがない事を確認しておく。

見てくれより実(ジツ)!
どんなに荒い使い方をしても、絶対に接触不良など起こさない事が優先!


とか言いながらも、見てくれだって大事!?

一目見ても手作りだって判らない仕上がりでしょ?

おしまい!