iPHONE用リモコンの話

【2011年8月】

ま、大体があんな細いコードなんか、ちょっとイラッっとした瞬間に切れるのよね。
そのクセ、皮膜コードのハンダ付けの話じゃないけど4〜5千円もするんだから頭にくる・・・・・・じゃ、作る・・・・・。

まずリモコンだが、約一週間の調査によって、iPHONEは、
@そもそも外部からデバイスをコントロールする方式ではない。
A外部は単純に4極のグランドとマイクピンをショートさせているだけ。
Bある一定時間内でショートされた回数を本体のプログラムが割り込みで感知する。
割り込み(外部端子のショート)時のショート回数とプログラム動作
a)1回:再生/停止の繰り返し
b)2回:次のファイル
c)3回:前のファイル
d)2回の押しっぱなし:早送り
e)3回の押しっぱなし:巻き戻し
となっている事が判明。
(ピンのショートテストをしているところ⇒)

この結果、自分で外部にプログラムを組み込んで、例えば「30秒スキップ」とかは不可能だという事が判明した訳だ。
ま、単純といえば単純だし、アップルの「触んじゃねぇ〜!!」精神も判らんでもない・・・・。

さて、方式は判ったが、壊れるものは壊れる・・・・。
僕の目的は「通勤中にラジオを聴く。でも聴きたいとこだけ欲しいので半分は飛ばす」なのだ。
そこでスーツのズボンのポケットに手を入れたまま早送りが出来ればグッド。

だから胸ポケットにiPHONEを入れて、ズボンのポケットまでコードを伸ばす。
リモコン(というよりスイッチですな。だから以下はスイッチと言います)から胸辺りまでコードを戻し、3.5mmジャックでヘッドフォント結合。

当然の事ながらブルートゥースも考えたわさ。
しかし実際に実験してみた結果、毎日のペアリング作業が面倒臭くなって止めてしまった。
結局戻ってくるのはやっぱ有線なのだよ・・・・。

4極ミニプラグの極性(ピン配置)には決まりがないのだが、iPHONEのピン配置はこうなっているようだ。(⇒)
つまり、
@1&3:ヘッドフォン左
A2&3:ヘッドフォン右
B3&4:リモコン用ショート
となる訳だ。


コードはアキバのガード下の線材屋でシールド4芯(外径2mm、1芯当たりの外径0.55mm、線径0.05mm)を120円/mで3m購入。


熱収縮チューブも同じガード下で買い揃えてみた。
今回の線は1芯当たりの外径が0.55mmなので0.8mmのチューブは非常に有効だ!
1本120円/m


手順としては、
@2.0mmで芯を作り、
A2.5mmで固め、
B3.0mmで隙間を埋めて、
C6.0mmでキャップまで固定してしまう
です。


スイッチはコードの全長の約半分の位置にある為、グランドとマイクだけを取り出す。

別に2つに切っちゃってもいいんだけど・・・・・拘り!?


スイッチもガード下で調達。
軽いタッチのプッシュボタン(ラッチ無し)が180円。

縁のキラキラが目立つのでムシり取る。


この間の肝心な接合部分なんですが、作業に夢中になってて撮影するの忘れてしまった!

グリップは6.35mmジャック用のケース。
当然ピッチが合わないのだが、プラスチックのネジなので、構わずにネジ込む!

そうしてでもこのグリップは持ちやすくて感触がよく、昔からグリップスイッチ系にはこれを使っている。
さっき在庫を探したら同じものが出てきたのだが、どう考えても学生時代に買ったものだ。
って事は30年前からモノが存在しているって事だ。
100円。


ここも撮影忘れ。

そもそもソニーのこのイヤホンの音質が気に入って、いや逆に、他の音質に頭に来て、このユニットを使いたかった訳だ。
だからダイレクトにイヤホンまで結線しちゃおうと思ったんだけど、正直このユニットにも寿命はあるのだろう。
ヘッドフォンならスピーカーの付け根まで分解できるけどこれはムリかなぁ・・・・。

だから念の為に中継を設ける事にした。


中継までの出来上がり。

実に軽いタッチで再生/停止できる。
早送り(ダブルクリック&押しっぱなし)も軽いので指に何の負担も掛からない。

実はボタンを押す際に握りが強いと拳(こぶし)が出来てしまい、
満員電車の中でズボンのポケットに入れた手がグーしてると「要注意人物」になっちゃうのよね!!
(判る人は解ってくれるこの悩み)

だから真っ直ぐに手を入れた状態で指先だけでピョコンと押せるこのスイッチ。
正に手作りならではの「痒い所に手が届いた」結果です。


次にイヤホン側。
同じ手順で半田とチューブ固定。

をっ!このアンクルは初めてだぞ!


イヤホンへは断線を基にして左右を分離したくなかったので中間から取り出す事にする。


先日買ったデジカメのオート接写機能を検証。
まったく凄いよ。


作業工程としては後は同様なので省略。

こうして完成した一式。


使用感はこんな感じ。

と、ここまで何か簡単に書いてきたけど、草案から調達も含めて何だかんだで二週間近く掛かってる。
まぁ、例によって趣味の工作の範疇だから十分楽しみましたわさ!

(おしまい)