160円で作る!iPHONE用リモコン の話3

【2013年1月】

昨年末に「iPHONE用リモコンの話2」を掲載後、
”もう少し詳しく教えて!”
”もう少し素人向けに作って”
といった声をいくつか頂き、丁度自分のリモコンもSWが壊れたので、それでは!と焼き直しをする事にした。

そこで今回は、
・普段愛用しているヘッドフォン(イヤホン)は既製品を一切触らない仕様とする。
・半田は既存部分のみを使用し、一切の手間を掛けない仕様とする。
・製作時間は一時間前後とする。
を目標に案を練ってみた。

【用意するもの】
・Seria(セリア)系100均の「ステレオイヤホンマイク(スマートフォン用ハンズフリーマイク付き)」:100円
・タクトスイッチ1個:約10円
・3.5mmステレオジャック(♀)1個:約50円
・半田ゴテ(15W〜20W)
・キリ
・マイナスドライバ
・ラジオペンチ
・ニッパ
・ピンセット
・ティシュー

【今回のポイント】
その1:こんなマニアックな事をしなくてもいいように、すでに半田の跡を使って何の苦労もせずに半田付けを行う。
その2:折角100均を利用するのだから、断線や損傷など壊れた場合に、すぐに再生し易いようにイヤホンと別けてパーツ化した。
の2点に尽きるが、オマケとして、
その3:写真をふんだんに使って判り易く解説する。
の3点である。

それでは製作スタート!

@イヤホンの解体

先ずは右上のコレ。
セリア系の100円ショップで売ってるマイク付きステレオイヤホン(4極仕様)。
前回はこれをそのままイヤホンに半田付けしたが、プラグにして普段使うフォンは改造なしとする。

早速イヤホン部を解体する。
その目的はスピーカーに半田付けしているコードをそのまま使って半田を楽に終えたいから。

これも100均で買ったミニドライバでイヤホンの隙間をコジって開ける。
な〜に、ドライバが刺さってスピーカを壊してもOK!
だって使わないもの!

全然慎重にやる必要ないです。

この半田の付いたコードが欲しいだけ。

スピーカーからコードを剥がす。

ストッパの為の結び目は丁寧に解く。

このコードを普段使っているお気に入りのヘッドフォン(イヤホン)の3.5mmのプラグに接続するジャックに半田付けする。
コードを半田付けする前にプラグのケースを入れておく。

特に必要は無いがもしあれば熱収縮チューブ(φ2.0)なども入れておけば纏まりがよい。

ジャックに半田付け。
コードはすでに半田がのっているので一瞬で終了する。

ちなみに2本のコードは赤銅と赤緑であるが、
赤銅 ⇒ 赤=レフト(+)、銅=グランド(−)
赤緑 ⇒ 緑=ライト(+)、赤=グランド(−)
なので、赤銅の銅と赤緑の赤を一緒にネジって一緒にしてから半田付けする。

尚、このジャックの縁がガタガタなのはすでに数回使い回してる為。
それとすでにプラグが刺さっているはモニタしながら半田付けをしている為。

こんな感じ。
ここまでですでに普通にステレオで音楽が聞けているハズだ。(リモコンはまだ無い状態)
ここで音が出ていない場合は半田付けに失敗しているか、すでに断線している可能性があるので、最初から順番に確認してみよう。

ちなみにこのコード巻き取りも百均!

Aリモコンの製作

と言ってもリモコンシステムを作るのではなく、単にマイクをスイッチに交換するだけ。
何故ならここで解説したように、早送りや次曲は本体のCPU(プログラム)がやるのであって、ボタンはその指示を発行するだけだから。

このマイクのケースは接着されていなく4支点で付いているだけ。
だから工作には非常に有難い仕様で、ちょっとミニドライバでコジればすぐに開く。

しかし、ここはちょっと慎重に。
むき出しのコードは細いので引っ張るとすぐに千切れる。
だからドライバでそっとラバーマウントを越しコードが浮いたら引っ張らないように気を使おう。

マイクは意外にスポッリとハマっているので、真上からラジオペンチでそっと抜く。

半田を除去してマイクから外す。

外したところ。
ご覧のように赤と緑なので、このコードはライト側なのだが、その他にもう1本青いコードが出ている。
この青いのがマイクの(+)。

そしてグランドは赤なのだが、ここが肝心。
赤のコードは繋がったままこの部分だけが剥けて半田を乗せているのだ!

要はこれが欲しかったのよ。
だってこれ作るの大変なんだから・・・実際!
いや、切断して2箇所剥けばいいんだよ・・・・・やるかい?・・・・ あの作業・・・・ヤでしょ?

100均商品の技術力にはいつも舌を巻くけど、こうした地味な行程をしっかりやっている処は尊敬に値するよ。

次にケースの加工。
マイクが収まっていたガイドが邪魔なのでカットする。

ラジオペンチで摘んでクリッってやれば千切れる。

こんな感じ。

マイクのあった位置のセンターにキリで穴を開ける。
ちなみにこのキリも百均で買ったもの。

マイク用の穴の影響でどうしても四角になってしまうが気にしない。
小さいヤスリがあれば面取りしておくのもよい。

これがタクトスイッチ。
基板なんかに付いている小型のスイッチで1回路1接点のモーメンタリ方式(押した時だけON)。

実はこの前にオルタネート方式(1回押したらONのままで2回目でOFF)のスイッチを使っていた。
その利点としては、ラジオのCMや不要なコーナーなど、数分間飛ばしたい時などで、押しっぱなしにしなくていい事。
但し欠点として、前曲と巻き戻しが出来ない。
何故なら3回プッシュする為にはカチカチカチカチカチカチと6回連続で素早く押さないといけない。
プログラムが連続押下と判断する為の速度に追いつかないのだ。

よって以降は押しっぱなしだが半分の回数で済む(すなわち離した時点で1回とする)方式に決めている。

これは電子部品を売ってるショップに行かないと売ってないのでこういった通販で購入するのが一番手っ取り早いだろう。

基板に差す訳ではないので長い足を切る。

要は、マイク(+)とグランド(−)をショートさせる事でリモコン操作となる訳だ。
その回数をもう一度ここでおさらいしておこう。
・1回押下:再生/停止の繰り返し
・2回押下:次のファイル
・3回押下:前のファイル
・2回目押しっぱなし:早送り
・3回目押しっぱなし:巻き戻し

ここは慎重に作業する。
今回の作り直しもこの時点で断線したのに気づかなかったのが原因。

フタを閉める時に噛まないようにピンセットなどで丁寧に配線を配置する。
ラバーが実に良い感じでホールドしてくれるのだが、逆にこれに挟んで断線しないように気をつける。

何個か目の失敗の一つに、瞬間接着剤が剥がれてボタンが下に落ちてしまい、配線を切断した事がある。
だから今回は下に落ちてもサポートするようにティシューをたたんでクッションとする。

さらに瞬間接着剤を使用して通電しなかった事が数回。
分解してみてもボタンに異常は無く、切断もないのだが、何故か接着すると断線状態になる事が・・・・・。
だから今回からは接着は止めて、ティシューのクッションだけで支えてみる事にする。

完成。

(おしまい)