陸奥守吉行
(むつのかみよしゆき)

なんかさぁ・・・もしかしてこんな事やってると家庭不和になるのかなぁ・・・・・いや、お金の話じゃなくて。

「竜馬が使っていた”陸奥守吉行”の重さ・大きさ・雰囲気を感じてみたい!」
ってだけの理由でもうすぐイソジになろうか・・・って自分がオモチャ買っても・・・理解してくれないよなぁ・・・。
だって知りたかったんだもん・・・・竜馬が日常持ち歩いていたであろう、ジャマな存在ってやつを・・・・。

それを見ながら小説読むのさ。
で、小説に出てくる度に「ここにあるぜぃ!」ってチラ見しながら一人ほくそえむのさ・・・。

でも絶対に判ってくれないよなぁ・・・・いくら説明しても。
「高校生の息子が居るいい大人がカタナのオモチャって!!(幼児じゃあるまいし!)」って冷たい目で・・・・。

当然、真剣(100万円〜)とか買ったら家追い出されるだろうからレプリカだよ。
で、模造刀についていろいろググッてみた。
価格的には5千円〜10万円ってとこか。

模造刀には、
・観賞用
・居合い用
とあるようだ。

観賞用は、〜1万円前後で売られていて、目釘(めくぎ)の作りが甘く、余り振らないほうがいいらしい。

居合い用は、1万円〜で文字通り、居合い術の為にあるので、作りはしっかりしてるようだ。

刀身だけでも約1kgあるのだから、振った際に目釘や切羽(せっぱ)・はばきの作りがマジでないとスッポ抜けて危険だ。

別に居合いなんて興味ないけど、手にするからには振りたいじゃん。
だから居合い用に決定。

ところで竜馬の”陸奥守吉行”の鞘(さや)には「黒石目鞘」と「赤石目鞘」の2種類がある。

どっちが本当なのか?をいろいろググッてみたけど結局判らなかった。
まぁ、条件が揃った方にしよう。

柄(つか)の鮫皮は現在で言う処のエイ(スティングレー)の皮の事で(ちなみに当時の鮫はワニと呼んでいた)本物はチト高い。
だからといって模造品の殆どは”鮫皮風”プラスチックで作られていてとってもダサい。

鍔(つば)は、
・透かし
・透かし龍
・装飾
とあったが龍が必須!

当然の事ながら目貫(めぬき)は馬である事が必須だ!

これらを鑑みて、
【必須項目】
・陸奥守吉行である事
・鍔は透かし龍である事
・目貫は馬である事
・柄巻きは本白鮫皮である事
・鞘は木製である事
・出来るだけ安いほうがいいわな(オモチャなんだから)

【できれば欲しい項目】
・直刃でもいいが、やはり刃紋は格好いいぞ!
・目釘を外して茎(なかご)を見たいな
・目釘は木か出来れば竹がいいな

【なんでもいい項目】
・鞘の色
・柄の糸の種類
・しとどめ(柄の先端)の柄
・刀身の材質(振るだけで切る訳ではないから)

という訳で、ネットサーフする事3日間。まぁ、いろいろと見えてくるよ。
値段が高くても質(材料)の悪いもの。安くても良く出来ているもの。
最終的にここの製品に決めた。白鮫皮使ってるし、目貫も鍔も条件を満たしてる。
それに何といっても、最安の1万5千円だよ。2万円超えでも鮫皮使ってる製品はそう無かったのだよ。




実は鮫皮ってやつは写真で見ると本物とプラスチックの違いがよく判らない。
つまり鮫皮は限りなくプラスチックっぽい代物なのだ!

でも触ってみると全然感触が違う事がよく判る。
これプラスチックだったらそれだけでイヤになってしまうよ。きっと。

なんと!目釘に竹を使ってる!
すごいぞ!この価格で!

切羽とはばきはしっかり締まっていて振ってもまったくガタが無い。

ちなみに切羽は薄い銅でいわばワッシャーの役割だが、これが潰れて鞘に食い込むと刀身を抜く事が出来なくなり往生する事になる。これが「切羽詰まる」の語源だ。

ちなみに^2、目貫とは目釘を指す事も目釘を覆う装飾を指す事もあるが、いづれにしても目貫が抜けると柄から刀身が抜けてしまい役をなさなくなる事から、その街の中心となる通りの事を「目貫き通り」と呼ぶ。


綺麗な刃紋でしょ!
ただ、注意書きに「打ち粉は使わないで下さい」とあった。
何で?と読み進めて笑ってしまった。

要するに”打ち粉”は研磨剤であり、亜鉛合金+メッキ処理の表層を研磨したら”わざわざ付けた刃紋”が消えちゃうじゃん!と言っているのだ。

これは格安レプリカの愛嬌と納得する。

もちろん刃入れをしていないのだから触っても問題ないが、この切っ先は鋭い。
ちょっと危ないくらいに鋭い。

ってか、これで人間を突いたら、間違いなくブスッと貫いてしまう。

許可証も登録証も不要なオモチャだけど、 銃刀法第22条では「正当な理由無くして模造刀剣類を携帯してはならない」と謳っている。

訳すならば「いかにも刀っぽいオモチャでさえ公道往来で持って歩いてはいけない」という嘗ての治安維持法を体よく現代に蘇らせた法律だ。

完全に職質の範疇であり、検挙の対象となるので、外に持ち出すのは止めた方が良いようだ。



こうして陣立掛台に置くと、何とも楽しそうな部屋になってきたぞ。
ま、お父さんの基地ですから。

さて、抱えて中腰になれば、居合いに興味なくとも、自然と抜刀のゾクゾク感が湧いてくる訳で。
ちょっと振り回してみるかな!

注)以下の動画が再生しない場合は、ブラウザをリロードしてみて下さい。

1週間目の抜刀と納刀

刀に触ってから1週間目の抜刀と納刀の様子。
このスピードでさえもまだ2回に1回は納刀出来ない状態。
(納腹出来ていない・・・ってのは無し!)

2週間目の抜刀と納刀

2週間目の抜刀と納刀の様子。
休日に庭で
・抜刀
・袈裟斬り
・斬り上げ
・水平斬り
・納刀
を繰り返していると腕が痛くなってくる。
昔の人は余程腕力を鍛えていたに違いない。

この時も抜いただけで右腕が痛くて刀がふらついてしまい、
ピシッと固定する事が出来ない。

3週間目の抜刀と納刀
3週間目。
休日は庭で抜刀・納刀と素振りをする日課が出来てきた。

今回は抜刀の際に鯉口を切っておかなかった失敗例。
youtubeを見ていて気がついたのだが、居合いでの納刀は「水平に戻す」らしい。
やってみたら確かに納刀し易い!

今まで鞘の外側に峯を当てて滑らせていたのが、内側にする事によって、切っ先を早く収める事が出来るようになった。

しかしまだ5回に1回は納刀出来ない。
(真剣だったらとっくに親指と人差し指を落としてるな!)
右手の引き量と左手人差し指+切っ先の間隔を体で覚えないとダメなんじゃないかなぁ・・・。

4週間目の抜刀と納刀
4週間目。
右手人差指の外側の皮が剥けて硬くなってきている。
抜刀の際に鍔に当たる部分の皮膚が破れて流血後に硬くなってきたのだ。

今回はこんな事が出来ました!→(^^;
抜刀してから袈裟切りに入り、そのまま納刀する。
ここでは(室内なので)振り回せないから”そんな気持ち”だけ。

なんか殺陣っぽくなってきたな・・・・・。
でもこの納刀!気分いい!!
まだ成功確率50%。

5週間目の抜刀と納刀
5週間目。
まぁ、1週間といっても平日は出来ないのだから週一の数時間だけどね。

毎週庭で繰り返しているうちに自然とメニューが決まってきた。
@ゆっくり素振り:50回
Aゆっくり抜刀・納刀:10回
B素早い縦一文字の素振り:50回
C横一文字から袈裟切り:10回
D壁を50cm前にしての抜刀・納刀:10回
を1セットとして、これを6セット。
最後にゆっくり素振り50回で終了。
これで約一時間ちょっと。真冬だというのに汗びっしょりになる。

今週は抜き身が少し軽く思えてきた。
いや、違うか・・・袈裟切りを右手だけで止められる様になってきた。
右手だけで重さに耐えられる様になってきたのかもしれない。

それと今日は初めて縦一文字の素振りでヒュッ!って音が鳴った。
(今まで一度も音はしなかったのよ)
もしかして振り下ろすスピードが増してきたのかもしれない。
本当はビュッ!って鳴って欲しいんだけどまだまだスピードが足りないんだろうなぁ・・・。

つまりは、止める制御が出来ないと怖くてスピードは出せないのだから、それだけ手首と上腕の筋力が付いてきた・・・って事か?

右手の鍔に当たる部分が殆ど痛みを感じないほど硬化してきている。
ここを鍔に充てたまま踏ん張ると手首だけで地面に接触せずに止められる様になってきたのだ。

この持ち方が正しいのか?知らないんだけど、どっちにしてもここを鍔に押し付けていないとまだ重さに耐えられないのだから仕方あるまい。

そのせいか?鍔の黒い塗装が剥げてきちゃったよ。

納刀の成功確率70%。

7週間目の抜刀と納刀
7週間目。
さすがに正月三が日に抜刀するのは止めにしてたぜぃ!

これまでこの撮影用に抜刀すると「うっ!」ってくらいに腕が痛かった、つまり筋肉痛が治らないまま一週間が過ぎていたのだが、ここんとこは、いきなり抜刀しても腕が痛くない。
刀を水平に維持しても前のように腕がプルプルしなくなってきた。
で、結果、振り下ろしても止められる様になってきたので、このように室内でも素早く「抜刀&袈裟切り」が出来るようになってきた。

室内だからぶつけない様にそっと抜いて振っていたのが、右腕だけでピタッと止められるので、意図した位置まで思い切り振れるのだ。
だから連鎖的に納刀も切っ先を鞘に充てるまでが素早く出来る。
うれしい!
納刀の成功確率80%。

ここで練習メニューを一部修正。
@ゆっくり素振り:50回
A素早い縦一文字の素振り:30回
Bゆっくり素振り:30回
C素早い抜刀から袈裟切り+納刀:10回
D素早い縦一文字の素振り:20回
Eゆっくり素振り:20回
F壁1cmに抜刀+返し刃+納刀:10回
Gゆっくり素振り:50回
A〜Fを1セットとしてこれを5セット。これでジャスト一時間。

上段から初速を意識して腰を落としながら一気に振り下ろすと一回一回がブンッ!って唸るようになった。
しかし早く振るコツが解ってきた分だけ素振りがキツくなってきた。
今までに無い右上腕三頭筋の筋肉痛。しかもかなり筋繊維を破壊するようだ。(こりゃまた一週間辛いな・・・)
夕食のお箸を口まで持ってこられない。左手で右肘を押さえて曲げる有様。(マウスを持つのも辛い・・・)
さぁ、何週目でこの筋肉痛が無くなるのか?楽しみ!

ところで、当初から分解したくてたまらなかったのだが、ここへきてもう我慢の限界じゃ!!


で、分解してみた。

目釘用のトンカチ持ってないから六角レンチを充ててペンチでコンコンと叩いてみる。

目釘が柄に対して30°くらい斜めに嵌っている。そういうものなのか?

刀身は真剣の様にトントンするだけでは外れてくれなかった。両手首が真っ赤になった処で諦めてそっとドライバーを差し込む。

きっと素人が振り回すのだからガッチリ食い込ませてないと危険だとの考えたのか?或いは目釘を抜く想定は無いので刀身の抜き易さなど考慮していないのかもしれない。

いづれにしてもこの製品の目釘が竹である良品だからこそで、そうでなかったら怖くて分解するには至らなかったと思う。

何にしても目釘とは「柄と刀身を繋ぐ為のパーツ」ではなくて「そもそも精巧に填っている柄と刀身であるが、にも関わらずほんの僅かなガタ付きのキッカケさえも与えない為に嵌め込むパーツ」である事がよく理解出来た。

2ヶ月目の抜刀と納刀

8週間目。
まだちょっと右腕が痛い状態で開始。
前回右手人差し指を庇う形で握った中指の裏がズル剥けだった傷もギリギリ癒えたので、ここはまた出血覚悟でやってみたが大丈夫なようだ。

また今回は納刀の際に鞘に当てる刀身の位置を半分くらいにしてみた。
袈裟切りの位置でそのまま手首を返せば、それだけ切っ先に近く、つまりは短時間で納刀出来るのよ。
ってか、段々それが出来る様になってきたんだわ。

これまではどちらかと言うと鉄棒に振り回される為に、茎(なかご)に近い錬区(むねまち)近くを当てて、そこからガイドしないと納刀出来なかったんだけど、 錬(むね)の半分くらいの位置からなら鯉口に合わせる事が出来るようになってきたのよね。

でもどっちが格好良いんだろう・・・う〜ん・・・・。

10週目の抜刀と納刀

10週間目。
なんかもう絵的に代わり映えしなくなってきたんで掲載を1週抜かしちゃった!

今回はすごい発見が2つ!

いつもの袈裟斬りから納刀の次に、
切っ先を相手の喉元で止めて刃を返して切り上げる。
そのまま逆袈裟切りで振り下ろす。
んで、殺陣のように納刀してみた。

面白っ!何かカッコエくない!?
これ続けて練習してみよっと!

もう一つはビュッって音の出し方。

これまで(@)は、振り下ろす時にスピードを付けてギリギリで止める事に悩んでいた。
確かに音は出るのだが、止められないで地面を叩いてしまう事があるのだ。

ところが、振りかぶった位置から左手で引っ張る様に、しかも思い切り前に出す感じで振ると、頭の上あたりでもうビュツ!って音が、しかも結構大きな音がする。

つまり初速を思い切り速く、しかも最高加速度で前に出す。(A)
そして振り下ろす時点ではもう音が出続けているので減速を始める。
そうするとさして苦労もせずに地面の上で止められるのだ。
加速の場所が違っていたのだよ!

でもこれって結構勇気がいる。
だって振りかぶった時点から思い切り投げつける様に振るんだから、もし場所や人などに対する影響に気が付いたとしても、もう止められないのだ。

でも音が全然違うよっ!
何か嬉しい。

しかし!すごい腕力が必要。
昔の武士ってきっとすごい筋肉してたハズだよ。
だってそもそも振る事が目的じゃなくて、骨肉を叩き切るのが目的なんだから、半端な速度では無理なハズ。
想像するに肉に食い込む際の(急減速に対する手首への)衝撃は相当大きいと考えられる。

つまりそれらに関係なく振り抜く為には、空気を切る数倍の筋力が必要なのだよ・・・きっと。

こっちは、空気を切る素振りだけでも手に出来た豆の上にさらに豆作って真っ黒になっちゃてる・・・・って〜のにさ。
サムライって全くスゲ〜よ!