本醸造 司牡丹
(つかさぼたん)


【2011年5月】

何かと問題が発生してきた5月の連休。
しかし今年は思い切り飛び石でバラバラだから連休の気分がしない。

週中の3連休も半ば、先月からまた読み出した「竜馬がゆく」。
確かな記憶は無いが、毎年読んでるとしたらもう30回以上読み返してるのか・・・・。

しかし興味のある無しで読み飛ばす事がある自分の読み方には規則があるようで、例えば、
・女絡みの与太話
・竜馬以外の人物伝(特に守護職レベルの)
などは斜め読みしてしまうクセがあるようだ。
クセだから毎回の事であって、30回読もうが100回読もうが、その部分は全く読んでない可能性だってある。

だからここ数年の読み方としては「あくびを堪えて全部読む!」を心掛けている。
でもたまに眠くなると面倒になってついつい飛ばしてしまう。

そんな昨今で30年間心に残らなかった文章を発見、以下抜粋。
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酒は、土佐の佐川郷で吟醸される司牡丹である。
土佐人ごのみの辛口で、一升半のんでから口中にやっとほのかな甘味を生じ、いよいよ杯がすすむという酒豪用の酒である。
(司馬遼太郎 竜馬がゆく 文春文庫創刊第二巻226頁より)
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住谷寅之介(すみやとらのすけ)と大胡聿蔵(おおごしんぞう)という2名の水戸藩士に対しての接待の場面なのだが、
1860年3月、井伊直弼による安政の大獄の結末とも言うべき桜田門外の変で、水戸藩士17名、薩摩藩士1名の、
いわるゆ「桜田十八士」が決行したこの事変によって、全国の尊皇攘夷志士が決起し始め、これが最終的には大政奉還へと続く第一歩であった事は間違いない。
その直後から尊皇攘夷の啓蒙活動で諸国遊説を担う、両名のようなこうした人間が多く排出されたのである。

ま、その話は置いておいて、なるほど、日本酒を美味しいと感じ始めたのはこの10年で、それまで読み始めた当時は嫌いだった。
学生時代にムチャ飲みして急性アルコール中毒で胃に穴が開いた記憶は容易には消し去り難い。
だからか?

しかし30年ぶりに捉えてしまった文面を放っておく訳にはいかない。(もしかして、こんな文章まだあるのか?)
という訳でこれ!(→)

最初はネットで調べた。
まぁ、出てくる出てくる・・・・・ブランド名ではなく「司牡丹酒造株式会社」という会社の製品名である事をこの時点で知った。
創業が1603年との事なので徳川幕府成立(江戸遷都)の年である!(ほんとか?)

佐川郷、現在の高岡郡佐川町を調べてみたら、梼原からの帰りに通ったR197からR56に分岐した直後に分かれるR494沿いに10km程度北上した処だ。
これなら次回は地図無しで行けるな。(行かないけど!)

早速注文しようと進めたが「待てよ?この辺で買えないか?」と思い直した。
酒は昔から「全国の銘酒揃ってます」みたいな酒屋って結構あるじゃん。
で、地元を調べて片っ端から電話するも置いてない。
酒屋の店主と会話を挟みながらだと、どうやら司牡丹は全国的に有名で相当に大きな酒蔵らしい。
だから返って「全国の銘酒集めました」と言うよりも「超有名だから別にうちで置かなくても」的な存在でデパートなどには大体置いてあるらしい。

ちょっとガッカリしたが、別にコレクションしている訳ではない。
「陸奥守吉行」と同じ感覚で歴史書(そう!自分にとっては歴史書なの!)に沿って自分を置きたいだけなのだ。

ところで今日は天気がいい。
ちょっとバイクに乗るか・・・・とライコに行く途中で思い出した。
あっ!ライコ行く途中に酒屋があったな・・・・当節流行の酒スーパーってやつ・・・・行ってみよう!

可愛いお姉ちゃんが一人でレジ打ちしている。
「銘柄判る人いる?」
首をかしげながら「ちょっと聞いてみます」と電話。
「あるそうです」といって取り出してきたのが(→)
流石、酒のスーパーだ・・・・1800円也・・・・えっ?1800円?安くね?

良く見ると結構可愛いお姉ちゃんだったのでもうちょっと会話したくて聞いてみた。
「シャンパーニュなんだけど、モエ・エ・シャンドンのブリュット・アンペリアルある?」(ある訳ないじゃん!と思いながら・・・)
「それならワインセラーの中にあります」と後ろを指差す。
「え?あるの?」(・・・・ってか知ってるの?)

振り返るとそれはワインクーラーボックスではなくて、ワインクーラー部屋だった。
しかもその入り口にドンと置いてある。(チッ、酒スーパーのクセしてなかなかやりおるわい)
可愛いお姉ちゃんが当たり前のように話してくれたところによると、どうもカップルのクリスマスとかには結構出るシャンパンの様で、逆にあたしがそれを知らなかっただけの様だ。
あたしは単に1999年までのF1グランプリ(懐かしき時代の1ページを担った勇者たちの思い出)の表彰台で使われたシャンパンシャワーの銘柄としてしか知らなかったからさ。
という訳で、シャンパンは常備してある事をチェックしただけで買わずに終了。

【インプレッション】

ふむ・・・・・確かに辛口だ・・・・しかし普通にスーパーで売っている辛口と変わらない。
「一升半のんでから口中にやっとほのかな甘味を生じ、いよいよ杯がすすむという酒豪用の酒」って程の辛さではないな。
また気になる程のクセも無いため、会話をしながらクイクイと進む。
魚をつまみに小一時間もあればたちまち半升は空いてしまう・・・・・って事は旨いって事か・・・・。

ま、近所に売っている事も判ったのだから、歴史話が出来る友が来たときにでもネタとして出す用にキープしときますか。