エアコンの修理

【2013年7月】

暑っ!
そりゃそうだ、夏なんだから・・・・

車のワイパーはなぜ雨の日に限って壊れるのでしょう?
それはね、雨の日にしか使わないから!

エアコンはなぜ暑い夏に限って壊れるのでしょう?
それわね・・・・・・

マジかよ・・・・あんでエアコンの風が生ぬるいんだよ・・・・・
我が家は築18年目。
当然の事ながら6台あるエアコンだって全部18年目。
これまで一台も不調を訴えた事はなかった。
まぁ、使用頻度といえば真夏の一ヶ月間ほど使うだけで後は眠ったままの家電だけど。

しかし我が家の老犬も13年目で暑さが辛くなってきた(大型犬は寿命が短い)ので、熱帯夜はエアコンを効かせた室内で過ごしてもらおうと。
なのになぜにここでエアコンが拗ねるかよ・・・・。

まぁ仕方が無い。
なんせ17年使ってるんだから文句は言えまい・・・・。
早速メーカーに電話して点検を依頼せねば。
その前に概要を掴んでおこう。
@室内機の異音・異常ランプはなし。
A室内機のリモコン操作は問題なし。
Bただし冷房も除湿も常温の風が出るだけ。(一時間稼動後も変わらず)
C室外機・・・・動いてない!!

室外機の電源は?と辿ってみると室内機の電源からとっていた。
ふむ・・・これは室外機が動けば冷風は出るな・・・・!?
では何故動かないのか?
真っ先に思うのは基板。
大体においてこうした白物は基板交換で終了のパターンが99%。
だって金属機械(ここで言うとコンプレッサーやファンモーター)が壊れるなんてそうそうあるものではないもの。

という事は・・・・コンデンサのパンクか・・・・・。
で、型番を調べる。
日立だったのかぁ(今更!):RAS-25FXRだという事が判った。
早速日立のサポートセンターに電話する。

日立「17年前ですかぁ、長年ご利用頂きましてありがとうございます」
がめ「素人予測では状況から室外機の基板だと思うんだけど」
日立「伺うだけで5千円掛かる上に、もう部品が無いかもしれませんね」
がめ「いいから基板である確度を過去事例から出してみてよ。確度が高ければ点検をお願いするから」
日立「ちょっと調べてみます」
(30分後)
日立「基板は拠点に1枚だけありました。また基板である確度は高いとの事です」
がめ「それじゃ点検に来て下さい」

という訳で翌週に点検に来てもらった。
念のため事前に新聞広告で安値のエアコンを調査しておく。
最安値は取り付け込みで4万3千円・・・・・まぁ、新品にしてもいいかぁ・・・・。

日立「やはり基板みたいですね」
がめ「で、修理の見積もりは?」
日立「基板が1万3千円で作業費が1万円+出張費で2万8千円になります」
がめ「うっ!高っ!あと1万円で新品買えちゃうじゃんか!もっと安くしてよ!」
日立「それにもう他の部品も無いので今度壊れたら修理不可ですね」(答えになってね〜し!)

ってなやり取りがあった挙句、結局5千円だけ払ってお帰り頂いた。

さて・・・・どうしよう・・・・どうせこのままだとクズ鉄な訳だ。
だったら基板に根性入れたるかい!!・・・・・って事で先ずはネットで検索。

あっ!日立ってスゴイ!回路図見っけ!しかもドラフタのまま署名入りで
あれ?回路図が手に入っちゃうと違ってくるなぁ・・・・マイコン以外は全部取り替えられるじゃん!?
しかもコンデンサの容量も全部入ってるし・・・・もしかしてイケるかもしんない・・・・。

翌週末、
作業のし易い2Fベランダに設置してある別の室外機のフタを開けてみる。
今回対象の室外機は1F裏庭にあって作業が困難な為、一度トレースしておく事にしたのだ。

どうも基板を室外機から剥がすには18本の配線を覚える必要ありだな。
何しろ基板とは別にコンプレッサのパワーモジュール用の見た事もないバカでかいコンデンサーが3つも並んでいるもんだからビビるわ。

これに接続する配線間違えたら壁に穴あく程の爆発起こすだろうな・・・・。

だから覚えるのやめ!
素直に書き写す事にした。

全バラ完了後すぐに組み立てて電源投入してみる。
さすがに数歩後ずさりしながら・・・・・

コンセントONでパワーリレーが作動する音がした。
図面によると突入防止リレーも同時に動いた模様。

リモコンONで運転リレーが動作し、ファンが回り始める。

どうやら結線は問題ないようだ。
すぐに熱交換が始まったのでテスト終了。


感覚を覚えたまますぐに実機へ。
しかしその前に室外機の前に立って通電させてみる。
ふむ。
リレーが作動していない・・・・という事はここまで通電していないという事か。
もしかして基板の前の段階の減圧コイルか、あの怖いコンデンサかもしれない・・・・。
それテストしたくないなぁ・・・・ま、とりあえず基板を外してから判断してみよう。

基板を外したら見た目の点検。
あれ?三端子レギュレータのOUTとグランドの間でカメムシが干からびてるぞ!
こ、こいつは・・・お前が原因かぁ?(んな訳ないか)・・・・ちゃんと掃除してから点検しよう。

エアを噴くが17年の蓄積は簡単には落ちない。
仕方なくブレーキクリーナーを1本使ってビシャビシャに洗い流す。
接点復活剤も有効だけど、バイク整備する人間くらいしか知らない安くて早い方法!

基板の裏面を観察。
汚れがハンダ間を覆ってるなぁ・・・・。
全体に焦げ感があるけど、まぁ、経年と考えるべきだろうな。

10分ほど眺めていただろうか。
あれ?何かやな感じ。(→)
これって何だ?・・・って図面を見たらパワーリレーだった。

おや?
さっきリレーが作動しなかったよな?
もしかして前段でもなくてリレーそのもか?


拡大。
ハンダが剥離している。いや、溶けてるのか?
でもリレーに熱源はないし、室外機に接触する熱源もないし。

よし、ここは余り考えずに、全部のリレーを基板から外して導通テストした上で新たにハンダを盛ってみよう。

パワーリレー・突入防止リレー・運転リレーを基板から外してテストする。
12Vを掛けてみるとみな正常にカチッと作動する。
裏も密閉されていて粉塵の影響はなさそうだ。
さすがにOMRON製のリレーは信用できるな!

ってことは・・・よ?
・PW−ONでリレーが作動しない。
・しかしリレー単体は正常である。
から、
原因1:100V減圧コイル/外部コンデンサのどちらか
原因2:基板に12Vの通電がない。
原因3:リレーに通電がない。

原因1は確度的に2割だな。
原因2は無いな。
って事はこの怪しげなハンダの可能性は高くなるぞ。

って事で盛り直し完了!

これでダメならやっぱ恐怖のコンデンサと対峙するしかあるまい・・・・ヤダな・・・・。
って思いながら組み上げる。

室内機のコンセントON!
室外機からカチン!カチン!と2回スイッチングの音がしてファンが回り始めた。

ありゃ、動いちゃったよ・・・・直っちった!

室外機に通電すればこっちのもの。
ものの数分で熱交換が始まった。

今回は基本的なメンテナンス処置によって復活を遂げた。
@基板の掃除。
Aハンダ接合の点検

簡単だが重要、
そんなバカな!的だが有効、
一番は基板を丁寧に扱ってあげる事かな?

おしまい。