ソファーの修理

【2014年3月】

もう何個目の椅子だよ・・・・・・。
1万円のパソコンチェアーを8個壊すなら8万円のイタリア製を・・・・ってそれも変わらんのだよ。
結局、溶接部分の剥離だの、組み木部分の折れだの・・・・。
そして今回は・・・・・スプリングの折れ!
体重100kgは悪なのか?椅子に腰掛ける事も許されないのか?

最近ではアーク溶接一式を揃えたくてウズウズしている。
10mm厚の鉄板で作る椅子はAK47の7.62mmを30弾空にしても壊れまいて・・・・・。
その衝動を何とか抑えつつ、今回は合板製のソファーを修理する事とする。

買って半年足らずのソファー。
さまざまな椅子を壊して懲りた先はソファー。
これなら今までのように1柱で支えている訳でも、4本の細い足で支えている訳でもないので、持つのではないか?
そう思っていたある日、座った瞬間に”バムッ!”って椅子の中から音がして凹んだ。
お尻がソファーに埋まり何かにゴツゴツと当たって痛い。
「ったく・・・また壊れたのかよ・・・・・・」

休日を待ってソファーをひっくり返してみる。
ステープル(タッカー用の針)をマイナスドライバーで抜いていく。
相変わらずこの手の製品はバカみたいな数を平気で打ち込んでいるので非常に手間が掛かる。

背もたれはレールで留っているだけなので簡単に外れるが、肘掛は2本のボルトと4本の木ねじで斜めに(!)いい加減に止めてあるので丁寧に外す。
斜めの方向を見誤るとねじの頭をなめてしまうので注意!(ったく・・・・)

ちなみにその後ろにある黒いのはその前に壊れた椅子の背もたれ。


裏側から覗くとSバネの1本が折れているのが見えた。
しかしそのSバネを留めている金具が表側からしか外せないようだ。
手探りで探ってみたがネジではなくさそう。
鏡を持ち出して調べると金具自体がステープルで留めてあった。
やはり外装の全てを外す必要がありそうだ。

しかし布はセパレート構造ではなく、一体化したスポンジで単純にステープルで打ち付けてあるだけなので剥がすのは簡単だ。


後部を外して外装をパカッと開けた図。
見事に真ん中の1本が折れて外れている。


折れるか?普通・・・・こんなもんが・・・・・。

仮にもバネを謳ってるんだからさ・・・・・
留め金具が壊れたってんなら解るけど、スプリングが折れるって・・・・。


にしても何だ?この構造は?
こういうヤツが家を建てると欠陥を生み出すんだな・・・・。

縦に対する強度不足!
これじゃ耐荷重80kg以下な訳だ。


バネが折れる荷重に留め金具が耐える?って事を薄々疑問に感じていたんだが、なるほど判った!
J型32mmステープルのようだ・・・・こりゃ再現は無理だ。
諦めて木ネジにしておこう。


とりあえず一番荷重の掛からない端と交換する。


じゃぁ、その端はどうする?
いろいろ考えた挙句、面倒なので「8山で9山もどき作戦」にした。

このSバネは”S”が9個繋がって1本のバネになっている。
これを間延びさせて8個の”S”で9個分の役割をさせようって訳。

号令一下、パソコンテーブルは瞬時に木工作業台に早変わり。
卓上万力にデカいモンキーを挟んでバネをくわえ込み「フンガァ〜!」って伸ばす。
それを16回繰り返すと・・・・・


あ〜ら不思議!
8山で9山ぶんの長さになっちゃった!

真面目な話をすると、焼き入れ焼きなましの熱処理加工を施した鋼(ハガネ)は、こんな「フンガァ〜!」程度で変形する事はない。
いわゆる「上質な加工処理」が求められる(車やバイクなどの)動力系のサスペンションなどが相当する。

しかし熱も衝撃も砂塵も発生しない家庭用建具でしかも安いソファーなどに使用するバネにいちいち熱処理していたのでは割に合わない。(簡易テンパー処理程度)
だから逆に「フンガァ〜!」が出来るってもんである。


32mmステープルを打ち込む為には大型のエアタッカーが必要。
もちろんそんなもん持ってないし、そもそもエアーも無い。(最近は充電式が主流らしいが?)

だから木ネジで締め付ける。
4本目が無いのはその部分のステープルが抜けずに折れて埋まっているから。


ほら!見た目判んね〜しっ!

Sバネを並べて使用する際は、隣同士は雑にでもいいから必ず連動させる事。

力点の分散が目的だが、人間の尻ってやつは案外凹凸を感じやすい。
だから、これだけ隙間がある場合、どうしても左右の段差に違和感を感じるのだ。
たったこれだけでも沈み込む感触が変わるのです。


当然これだけで終了しちゃったら記事にする意味がない。
ここにウェビングベルトを追加すべくネットで探すが見つからない。

やっと見つけたレスキュー用のウェビングベルトに使えるか打診してみると、
「張りを十分に保てないようでしたら危険性も伴いますので、ソファのメーカー側の意見も聞いてみることをお奨めいたします」
とやんわりと明言を避けられた。

確かにこれはザイルと同じナイロンの編み込みベルトで強烈な耐荷重を誇るが、ゴムが編み込まれていないぶんだけ柔軟性に乏しい。

しかしまぁ「別にいいじゃん!」って思ったら思い出した。
昔、車でモトクロス場にバイクを積んでいった際にラッシングベルト使ってたっけ!
あれどこやったろ?・・・・と探してみたら物置にあった。
25mm*1300mmが4本。


もう使わないだろう・・・・・と、あたしの尻の下で第二の人生を歩んでもらう事にした。

真ん中を中心にクロスさせてみよう。

ちなみに左右のウェビングベルトは最初から付いているもので、こちらはゴムが編み込まれていて正にソファー用であった。


出ました!ダイソーの315円タッカー!
これが使える!使える!
さすがに300円のタッカーでは6mmが限界だがそれでも99%の用は足りるぞ!
こんなに便利なツールが300円って・・・・幸せ!

以前にアドレス125のシートを張った時にステープルの選択もタッキングのコツも習得したので鼻歌混じりで作業が出来た。


これでもかっ!ってなくらい打ち込む。
楽しい!
(ハッ!いつの間にか自分も「バカみたいな数を平気で打ち込んでやがる」をやってるぞ!)


一番荷重の掛かるポイントをクロスさせて強度を増す。
真ん中の少し後ろ寄り。


ついでだが、片方の肘掛が抜けている。

何でか?と言うと、ここでショックドライバーを使ったから!!

ソファー:そりゃダメだろ!
がめら:だってこんなヤワなベニヤだとは思わなかったんだもん・・・・
がめら:穴開いてやんの!
ソファー:オメーが壊したんだろうが!

確かに・・・・ってな訳でついでに修理する事にした。


またステープルを1本つづ丁寧に抜いていく。
これが一番時間が掛かるのよね・・・・。


そのまま自宅から700m先のホームセンターに向かう。
3mm厚のベニヤを600*95と600*250の2枚に切ってもらう。
2カットで60円だもの。

ピッタリ!
何も考えずにパンパンパン!とタッキングして終了。


サイドパネルを張ろうとするも、こうしたふざけた建付けが邪魔をするので、マイナスドライバーで薪割りをする。


あっという間に作業完了。


両肘掛と足も付けて。

裏のシートは後にまた作業をする際に楽な様にこのままにしておく。


パソコンチェアー復活!!

これでまた寝転んだままマウスが使えるぞ!

おしまい。