暴れん坊将軍が大好きです!
だってカッコエエんだもん。
まぁ、権力を傘に着た振る舞いと言えばそれまでだし、大体「吉宗さんはそんな暇じゃないだろう!ハンコ押しとか一杯やる事あるだろう!」とか思うのだが、そんな事は大事の前の小事である。(意味違うか!!)
ともかくキッチリ54分以内に事件を解決し恨みを晴らしてくれる将軍様はエライのだ!

じゃなくて・・・・何がスゴイって話だ。

ラスト5分では佳境に入り、
「其方(そなた)余の顔を見忘れたか!?」
「なにぃ〜?余じゃとぉ〜?・・・・・こ、これは上様!」
「武士の情である!潔(いさぎよ)くこの場で腹を斬れぇ〜い!」
「・・・え〜い!上様の名を語る狼藉(ろうぜき)者めがぁ〜成敗してくれるわぁ〜・・・であえであえ〜」
「う〜む、やむお〜えん!」

ってな訳でザッと20人もの悪者部下を含めてバッサバッサと斬り捨てるのだ。
(何も知らないで死んでいく配下の者どもが可愛そう・・・家族も有るじゃろうに・・・といつも思う・・・)
(そもそも最初から江戸紫の羽織に気付けよ・・・・)

じゃなくて・・・・何がスゴイって話だ。

松平健さんの太刀捌(さば)きは感動すら覚えるのだが、本当に日本刀1本であんなに人斬れるんかい?

高純度の鋼(はがね)で構成されていて1kg強だが、75cm前後の長さの鉄を両手で振り回すには相当の腕力が必要だ!
特に手首のグリップが強靭でないと「鉄棒同士で合間見える」なんて出来ない。

ウソだと思ったらアイアン2本ほどを腕より高く持ち上げたまま1分間ほど振り回してみ!
出来ないから・・・・。

それで火花が散る程の格闘が出来る吉宗さんはきっと夜な夜なダンベルを持ち上げて訓練していたに違いない・・・・。

じゃなくて・・・・何がスゴイって話だ。

刃物がその性能を発揮しなくなるには2つの要素がある。
1つは刃がこぼれて刃の役目をしなくなる。
もう1つは油分で滑って刃の役目をしなくなる。

だから実戦では、

1:かなり余裕のある時は刃面を使わず刀背の「峰打ちだけ」で気絶させてしまう。
  将軍様もお気に入りの技だが、実際には頭なんか打ったら砕けてしまうよ・・・・鉄棒なんだから・・・・。
  (きっちりと力を込めればの話。半端な力加減だと逆に骨に跳ね返されてしまう)
2:まだまだ余裕のある時は「肋骨の下の柔らかい内臓を突くだけ」で斬らないで(刺して)始末する。
  (一度逃げながら脂を拭えればベスト!)
3:ちょっとだけ余裕がある時は「足の腱(けん)を狙って一刀だけ」で戦闘不能状態に留めておく。
  (他にも首の頚動脈とか手首の動脈とか骨と脂の無い部分を狙う)
4:余裕がない時はしょうがないから「上段からバッサリ」と仕留める。
  (そのあと逃げながらまだ綺麗な刀を探して奪取するのがベスト)

といった戦法で「刃を温存」する訳である。
(ちなみに将軍様は2と3は殆ど披露しない。そんなコマい将軍様なんぞ、お茶飲みながら毎週楽しみにしている下々の者が許してくれないのだ!)

もう1つは「人間は脂の塊である」という事だ。
一回肉を通過するだけで刃先は脂でベットリ状態になる。

キャリパーに指紋が付いただけでブレーキクリーナ噴くような人ならきっと卒倒してしまう位のギラギラなのである。
だからそれを数回繰り返しただけで、実質もう刃の役目は成さない訳だ!

以上の事から「それらの理屈を乗り越えてバッサバッサと斬り捨てる将軍様の技術はスゴイ!」になるのである!!

実際に「達人とは道具を労(いた)わりながら事を成す人」の事を言うのであって、個人能力差によって道具への見解がかなり異なる分野ではある・・・・。